お客様の真のニーズは何か?
お客様の真のニーズは何か?

(8/24)
- 深蒸し茶の話
緑茶で深蒸し茶というのを知っていますか。
お茶の製造過程で蒸す段階があるのですが、その際に通常は30秒~40秒蒸すところをその倍の60秒~80秒ほど蒸したお茶のことを深蒸し茶と言います。
蒸し時間を長くすると、茶葉の細胞が通常のお茶より破壊されるため、本来溶け出さない茶葉の栄養成分まで、お茶に含まれるようになり、飲むことができるのだそうです。
それで、何が良いのかというと、健康に良いということです。
何年か前にNHKの「ためしてがってん」という番組や他民放の番組などで、深蒸し茶のことが採り上げられ、「深蒸し茶」という名前が知れ渡り、売れるようになったようです。
他のお茶でなく、「深蒸し茶」を指名買いするようになったのです。
それで、何でこんなことを書いたのかというと、「深蒸し茶」を買う人のニーズは、普通のお茶を買う時のニーズとは違うということを言いたかったからです。
普通のお茶を買う人は味や香りや価格を中心に選択すると思いますが、「深蒸し茶」は違うのです。健康に良いらしいという「効能」が決めてとなって購入するのです。つまりニーズは「健康」なのです。「深蒸し」というネーミングにそれほど意味はありません。深蒸しという製法でつくったお茶が健康に良いということが理由でそのお茶を購入するので、味や香りには大きなニーズはないのです。
「深蒸し茶」を実際に飲んでみて、味や香りが自分の好みと異なっても良いのです。ニーズは飲んで健康になるということですから。
お茶と一言でいっても、そのニーズや求めるものが異なることがあるということです。その異なるニーズが多くの人が求めているニーズであれば、新たな市場が創造でき、売上もあがるということです。
同じように見える商品でも、新たなニーズを見つけてそれを求めている人たちを見つけることができれば、商売につながる可能性もあるのです。