売上向上策
新着ニュース
2011-09-24 森町商工会にて、BCP:事業継続研修を3回に亘って実施しています。(9月20日、9月27日、10月4日の3回でいずれの日も14:00〜16:00) 中小企業でもBCP作成に取り組んでいる事例が増えています。
2011-09-24 次回BSC研究会は10月1日(土)13:30~16:00 浜松市市民協働センター(旧・まちづくりセンター)第1研修室
参加ご希望の方はお早めにご連絡ください。BSC研究会のホームページはこちら
2011-07-29 次回BSC研究会は2011年9月3日(土)13:30~16:00 浜松市市民協働センター2階です。参加ご希望の方はお早めにご連絡ください。BSC研究会のホームページはこちら
2011-05-26 次回BSC研究会は2011年6月18日(土)12:30~15:00 浜松市市民協働センター2階です。参加ご希望の方はお早めにご連絡ください。
2011-05-10 私が会員(代表)になっている中小企業診断協会静岡県支部 BSC研究会のホームページを立ち上げました。
2011-02-24 3月5日(土曜日)に技能伝承研究会によるオープンセミナーが静岡市産学交流センターで開催されます。私たちの技能伝承サービスを受けた企業の話が聞けます。お申し込みは中小企業診断協会静岡県支部技能伝承セミナーからお願いします。参加無料です。
2011-02-15 技能伝承コンサルティング実施報告書完成。詳しくは技能伝承サービスのページをご覧ください。書籍・雑誌などの執筆活動のページも更新。
2011-02-15 日刊工業新聞社から発行されている「工場管理2月号」に記事を執筆。これにともない書籍・雑誌などの執筆活動のページを更新。
2010-11-30 「はじめての家電製品アドバイザー試験」 豊田和之著 オーム社から発刊
2010-11-30 家電製品アドバイザー研修のページ更新
売上向上は顧客視点で考えましょう
売上向上策を練る前に
具体的なやり方を考える前に今一度次のことを考えてみてください。なおここでは主に流通業(卸売業/卸売店・小売業/小売店)や飲食業/飲食店・サービス業を対象に考えています。
自店(自社)の売りは何か
まず、売上向上策を練る前に自店(自社)の売りは何か振り返って見ましょう。なぜお客は自店(自社)を利用してくれるのか、お客様の視点で理由を考えてみましょう。その理由が自店(自社)の強みにつながるかもしれません。強みを活かすことが競争に打ち勝つ基本になるのです。
自店(自社)の主な顧客層をイメージする
次に自店(自社)の主な顧客層をイメージし、どんなニーズがあるか考えてみましょう。よくわからない方は具体的なお客様を思い出し、どんなニーズがあるのか想像してみましょう。
売上向上戦略を考えよう
自店(自社)の売りや強みが分かり、主な顧客層のニーズが把握できたら、その強みや売りを活かし、顧客ニーズに対応するような戦略を考えてみましょう。このような顧客ニーズがあるからこの戦略を採るのだという一貫性がポイントです。
顧客から売上向上策への流れで考えよう
ターゲットとする顧客層⇒顧客のニーズ⇒顧客ニーズに対応する戦略⇒戦略に対応する売上向上策(戦術)という流れで考えていきます。
そしてその流れには矛盾がないことがポイントとなります。
以下に顧客ニーズと戦略の関係について牛丼店とパスタ店を例にして話していきたいと思います。
経営戦略と経営戦術
経営戦略とは、企業の経営目標を達成するために、企業内外の環境変化に対して、経営活動を計画的に適応させていくことを言います。経営戦術とは経営戦略の具体的方策のことです。下の牛丼店とパスタ店の戦略の違いのところを読んでいただくと、なんとなくニュアンスは分かっていただけると思います。
例)牛丼店とパスタ店の戦略の違い
- 牛丼店
牛丼店の主要顧客は主に男性客で彼らには安くて手っ取り早くかつボリュームのある食事を取りたいというニーズがあり、そのニーズに対応するような経営を行っています。おしゃれなイメージはありません。低価格ニーズがあるため、価格競争も厳しく粗利益もそれほど取れません。商品単価も低く薄利なので、多くの客を集め、客の回転率を上げることがポイントとなります。多くの客を集め、客の回転率を上げるというのが経営戦略であり、例えばそのために、店頭でチラシを配ったり割引券を配布するという具体策が戦術となります。
- パスタ店
パスタ店の主要顧客層は主に女性で、食事はもちろんですが、会話を楽しみたい、くつろぎたいというニーズがあります。そしてそのニーズに対応するような経営をおこなっています。女性客は店の雰囲気や清潔さを気にするので店舗も女性に好まれるようなつくりとなっています。客回転はよくないですが、客単価は高めで粗利益もとれます。料理と接客サービス、店の雰囲気に気を配り、更なる客単価のアップとリピート客を多く確保することがポイントとなります。更なる客単価のアップとリピート客を多く確保するというのが戦略で、それを実現するための例えば料理の味を高めるためお客にアンケートをとって確認する、調理の仕方をマニュアル化し常に一定以上の品質で提供できるようにする、などいう具体策が戦術になります。
顧客ニーズと戦略を適合させよう
このように主要客層やニーズによって経営戦略を考える必要があります。だから牛丼店で女性客を増やしたいと考え、女性に人気のあるパスタをメニューに加えても女性客は増えないでしょう。もともと牛丼店の早い・安いというコンセプトは女性客がパスタ店を利用するニーズとは異なるからです。
売上の構成要素
漠然と売上向上策を考えようとしてもなかなか上手くいきません。そこで売上の構造を分解して、その要素ごとに方策を考えてみると、考えやすく漏れもなくなります。売上は以下のように表されます。
売上=客数×客単価
客数の増加は
客数の増加
- 来店回数の増加
- 新規顧客の増加
- 商圏の拡大
- 既存客の流出防止
によって可能となります。そして客単価の増加は
客単価の増加
- 買上げ点数の増加
- 商品単価のアップ
によって可能となります。
売上を増加させる方策
したがって売上を増加させる方策は視点ごとに分けて考えていけばよいのです。下の表は一例です。このようにしていけば漏れはありません。
| 売上向上の視点 | 具体的な方策例 |
| 来店回数の増加 | イベント日の増加、ポイントカード、期限付割引券など |
| 新規顧客の増加 | チラシ、ポスティング、ホームページ公開など |
| 商圏の拡大 | 駐車場整備、チェーン展開、ネット販売など |
| 既存客の流出防止 | DM、メール発信、顧客ニーズ・不満に対応、顧客データの整備など |
| 買上げ点数の増加 | セット販売、提案販売、サイドメニューの充実など |
| 商品単価のアップ | こだわり商品、オリジナル商品、企業・店舗ブランドを高める |
売上向上の方策は経営戦略とセットで考えよう
さて、上の表のように視点ごとに方策ができたとします。そこで具体的にどんな方策を実行していくのか決めていくのです。このとき留意することがあります。
それは売上向上の具体的な方策は戦略と整合している必要があるということです。
例として再びパスタ店と牛丼店の戦略を考えてみます。
戦略は以下のようになりました。
パスタ店の戦略例
パスタ店の戦略
- 主要顧客は女性客
- パスタ店を利用する女性客のニーズは食事だけでなく、会話を楽しめる場、くつろげる雰囲気も大切
- ニーズに対応するために、料理と接客サービス、店の雰囲気に気を配り、更なる客単価のアップとリピート客を多く確保することを目標とする。
したがって、上の6つの売上向上方策の中でまず実行するべきなのは顧客満足を高め、既存のお客にずっと店舗を利用してもらえるようにすること、つまり、
- 既存客の流出を防止することが考えられます。
料理と接客サービス、店の雰囲気が良く、顧客の満足度が高まれば、利用客から口コミで店の評判が伝わって新規のお客も来店することが期待できます。
次に商品単価のアップといきたいですが、今の時代なかなか困難なので - 買い上げ点数(注文数)の増加が妥当でしょう。これはセットメニューを作ったり、メニュー表を工夫することにより可能と思われます。お得感を出すことがポイントですが。
その次が、 - 来店回数の増加でしょうか。
牛丼店の戦略例
牛丼店の戦略
- 牛丼店では来店回数の増加や
- 新規顧客の増加がメインの方策となってくるでしょう。牛丼店の主要顧客は主に男性客で彼らには安くて手っ取り早くかつボリュームのある食事を取りたいというニーズがあることは先ほど述べました。もともと牛丼店は低価格ニーズがあるため、価格を低くすれば、お客も増えるのですが経営的には厳しいと思われます。
吉野家の場合
吉野家では最近、牛鍋丼を新しくメニューに加え、主力商品となっていますが、従来の牛丼の価格を100円下げて、競合店に対抗したものであり客単価は低下していると思われます。売上=客単価×客数の式で、客単価が減っても客数を多くする方法をとったのです。
このように、顧客ニーズによって戦略は異なり、戦略によって適合する方策もかわるのでよく考えて決めていくことが必要なのです。
戦略と方策の一貫性
戦略の大まかな流れは以下のようになります。顧客層のニーズの把握から始まり戦略、方策に至る流れには一貫性が必要です。
環境分析
↓
主要顧客層の設定
↓
主要顧客層のニーズ把握
↓
ニーズに対応する戦略
↓
戦略に適合する戦術(方策)
戦略や方策に一貫性がない事例
古くから洋品店を経営している方が、店舗の老朽化に伴い店舗をリニューアルしたいと考えました。
店舗を作るときにも、当然自店の顧客層や扱っている商品・品揃えに合うような店舗にすることが必要です。つまり戦略を実現する方策として店舗のリニューアルを行うということを考えなければいけません。
しかし、この経営者はどんな店舗にしたら良いのか自分ではイメージできないため、休みの日には街中に行って、いろいろな店舗を見て回りました。
その結果、おしゃれな感じの店舗を見つけ、写真を撮って業者の方にこんな感じでやってくれと依頼しました。
新店舗は出来上がりました。外観は非常におしゃれなイメージで高級感さえ感じるような店舗です。しかし扱っている商品や品揃えは従来のままなのです。もちろん、接客の仕方も同じです。
初めて来店するお客は違和感を感じるでしょう。外観を見て、おしゃれな洋服を扱っている店と思って入店したら、全く想像していたのと異なる品揃えと接客ですから。
戦略がないとこのようなことになってしまいます。まず戦略があり、それを実現するべく方策を考えることが必要なのです。双方がバラバラだとこんな失敗を招くことになってしまうのです。
戦略と戦略を実現する方策には一貫性が必要
売上向上に繋がる『輝いている店のコンピテンシー』
以前、中小企業診断協会静岡県支部の事業で、「プロが選んだ靜岡県内の輝いている20店とその”コンピテンシー”の調査研究」のメンバーに加わりました。詳しくは書籍・雑誌などの執筆活動のページをご覧ください。
コンピテンシーとは企業などで人材の活用に用いられる手法で、高業績者の行動特性などのことです。
つまり、輝いている店の特徴はどんなところかを調査したのです。
本当は「輝いている店」ではなく「繁盛している店」としたほうが良かったと思いますが、協会の支部事業でしたので当たり障りのないタイトルになったのだと思います。
このコンピテンシーも売上向上を考える上でのヒントになると思いますので、同報告書41ページ「輝いてる店のキーワード」とその内容を載せておきます。
輝いている店のキーワード
| キーワード | 内容 |
| ①コンセプト | 明確なコンセプトがある |
| ②こだわり・哲学 | 経営者及び企業にさまざまなこだわりやそのベースとなる「哲学」がある |
| ③人間的魅力 | 経営者の人間的魅力がある |
| ④おもい | 経営者・店長・従業員におもい(志や熱意、意欲やモチーベーション、やる気がある) |
| ⑤お客様の顔 | 対象顧客が明確で、顔の見える顧客 |
| ⑥コミュニケーション | お客様とのコミュニケーションやお客様へのアプローチ、お客様の視線・視点 |
| ⑦リピーター | お客様1人1入を大切にし、多くのリピーターからの信頼を得ている |
| ⑧逸品 | 名物、看板商品、洗練されたサービスなどがある |
| ⑨自家製 | オリジナル、作って売る(企画開発販売または製造販売) |
| ⑩限定 | ここだけ、いまだけ、これだけ |
| ⑪物語 | 物語性、ストーリー性、ドラマ性、由緒 |
| ⑫遊び感覚 | 遊び感覚、遊び心、面白さ |
| ⑬提案 | 提案、演出、アピール |
| ⑭店頭 | 店頭の魅力づくり、思わず足を止める、店構え |
| ⑮居心地 | 楽しく、居心地よい雰囲気を提供 |
| ⑯口コミ | 口コミで広がる、口コミ活用 |
| ⑰情報発信 | IT含め、さまざまな方法で、こちらから情報発信 |
| ⑱ブランド | ブランド化、ブランドづくり |
| ⑲わがまち | 店があるまちへのおもいと貢献 |
| ⑳あたりまえ | (お客様からして)あたりまえのことの徹底、一事徹底、5S、挨拶など |
顧客満足で売上向上
顧客満足は企業・店舗にとってとても大切です。顧客満足を心がけることによって、企業・店舗に対してお客様が好印象をもち、継続的に利用してもらえるようになるからです。その結果、売上があがり利益もとれるようになります。結局は自社・自店に良い結果となって返ってくるのです。顧客の満足度を高めるには様々なやり方がありますが、ここでは代表的なものを挙げます。
接客サービスで顧客満足
顧客満足というと、小売業や飲食業ではすぐに接客サービスのことがあげられます。いくら提供する品物が良くても接客マナーが悪いと台無しです。提供する商品など中身を重視した上で接客も大切にしていかないと顧客の満足度は高まりません。接客マナーもしっかりできることが大切なのです。
顧客満足を高める上で接客サービスが重要なことは、企業や店舗ではすでに充分に認識されています。企業や店舗での新人教育研修では、接客マナー講座がそのスケジュールの中に組み込まれているのが普通です。
顧客の情報をつかんで顧客満足
もうひとつ顧客満足を高める上で大切なことがあります。それは
- 企業や店舗がお客様のことを良く分かっていることです。
例えば店舗にお客様が来店したときに、販売員が単に「いらっしゃいませ」と言うのと、名前を覚えていて、「いらっしゃいませ、〇〇さん」と呼んでくれるのとどちらが嬉しいでしょうか。後者のほうではないでしょうか。これは単純な例ですが販売員がお客様の顔と名前の情報を把握しているということです。さらに来店したお客様の
- 好みやどんなニーズがあるか分かっていて、それに合うような商品を勧めてくれたら、もっと好ましいでしょう。
お客様は「この販売員は、良く私のことをわかっている。」と思うのではないでしょうか。
要するに顧客情報を把握している(=お客様のことを分かっている)と、お客様のニーズやウオンツに対応した商品・サービスを提供しやすくなるのです。
- お客様のニーズやウオンツに適う商品・サービスを上手く提案できれば、お客様の満足度はさらに高まるはずです。
このような理由で、
- 企業や店舗ではお客様の情報を管理しておく取組みが必要なのです。
