GMROI(ジーエムロイ)の活用法

商品回転・GMROI

GMROI(ジーエムロイ)の活用法

ここではGMROI(ジーエムロイ)をどのように使うのかということを勉強していきたいと思います。
 GMROI=粗利益額÷平均在庫投資額(原価)
    =粗利益率×商品回転率(原価ベース)ということでした。

売り場での落とし穴

さて、売場に立っていると、粗利益の良い商品(商品部門)につい、目が行きがちになります。なるべく粗利益の良い商品を多く売りたいということで、それらの商品の在庫も多くなってしまうことも多いと思います。

ここに落とし穴があります。  

粗利益率だけでなく商品回転率(在庫回転率)も考える

粗利益が取れるからといって、商品回転率(在庫回転率)も良いとは限らないからです。
それに商品回転率(在庫回転率)は目に見えないので、売場に立っていると、ついおろそかにしがちです。

粗利益の高い商品は、粗利益率(高)×商品回転率(低)かもしれないのです。
ですから、GMROIで考えると、それほどよくないかもしれません。 

売り場の目標指標

売場では、「目標売上額○○円、目標粗利益率25%確保」などというスローガンを掲げて、販売を行うことが多いのです。
商品回転率(在庫回転率)はあまり取り上げられることはありません。そちらのほうが分かりやすいからです。
いきおい、在庫投資効率等は考慮されなくなってしまいます。
商品回転率(在庫回転率)などは、二の次になってしまうことが多いのです。  

GMROIを含む商品計画

そこで、売場の責任者は、GMROIも考慮した、計画的な商品計画を作成する必要があります。
粗利益率だけでなく、商品回転率(在庫回転率)なども考慮した、商品ミックス計画を立てることが望まれるのです。
ここで例を示します。

Z商店の商品構成

取扱品目売上高(千円)売上構成ランク粗利益率ランク粗利益額粗利貢献度ランク平均在庫(千円)商品回転率ランクGMROIランク
A商品3,000228.0%284031.5%24007.53210%3
B商品2,500325.0%362523.5%320012.52313%1
C商品1,000415.0%41505.6%45020.01300%2
D商品3,500130.0%11,05039.4%16005.84175%4
合計10,000 26.7% 2,665100.0% 1,2508.0 213% 

※粗利益率が高い商品とGMROIが高い商品とは異なっている

■表を見ていえること■

 

粗利益率が高い商品が多い
上の表を見てください。
Z商店では、1年間の売上が1,000万円です。
店主は粗利益のみに注意がいっているようで、とにかく粗利益率が高い商品を多く在庫しています。
粗利益率が高いA商品やD商品を多く在庫しているのです。
粗利益の取れないC商品は、あまり在庫していません。
しかし、A商品やD商品は粗利益率は良いのですが、それほど回転しない商品だと言うことが表を見ると、わかります。
逆にB商品やC商品は、粗利益率は高くはないのですが、商品回転率(在庫回転率)が良く、GMROIもA商品やD商品よりも良いことがわかります。

 

GMROIは在庫投資効率を示す

GMROIは在庫投資効率を示す指標であり、粗利益率と商品回転率(在庫回転率)を掛けたものです。
総合的に数字だけを見れば、これらのGMROIが大きい商品を多く在庫していたほうが効率のよい商売ができるはずです。上の例では、在庫量を、C商品、A商品、D商品の順になるように割合を変更したほうが、良い結果が得られることが予想されます。(絶対ではありませんが)  

GMROIを中心に総合的に考える

Z商店の店主は、この表を見て、実際の商品の特性や価格などを考慮して、総合点をだし、品揃えを再考すべきでしょう。
この表を見る限り、品揃えを工夫する余地は十分残されていると思われます。  

売り場の実際

私もそうでしたが、粗利益額や粗利益率は、すぐピンときますが、商品回転率(在庫回転率)は在庫管理をしっかりしていないとなかなか正確には把握できません。(商品回転率(在庫回転率)がなんなのか、良く分からない店員もいるかもしれません。)実は大変重要なのですが。

ひょっとしたら、儲かる品揃えだとおもっていたのに、実は効率の悪い品揃えなのかもしれません。
一度、念のためにこのような表を作って、商品や商品部門ごとの数値を比較すると、いいかもしれません。

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